連載コラム「政海コンパス」 政治部長・松田京平
このコラムは…
日本政治のこれからを展望します。過去に学び、永田町はもちろん地方や海外にも視野を広げ、未来を見据える。先行きが読めない時代に、政治という大海原を見渡すための羅針盤となるようなコラムをめざしています。
永田町で「新しい連立の形」の話題に接する機会が増えた。石破茂首相の政権運営が弱含む中、参院選後をにらみ、少数与党の解消が必要との見方が根底にある。
組み合わせのパターンは大きく四つ。①自民、公明両党に国民民主党か日本維新の会が加わる「与党拡大型」②自民党が他党党首を首相に担ぐ1994年の村山富市首相による「自社さ政権型」③1993年に細川護熙首相を誕生させたような「非自民大同団結型」④自民党と野党第1党が手を組む2007年の「幻の大連立型」。現有議席を前提に実現可能性で並べるならこの順だろう。
連立政権をつくるには、基本政策で合意し、閣僚ポストの配分など人事で折り合わなければならない。自民、公明は選挙協力をテコに長く連立を組んできたが、他は長続きせず、党首の進退や分裂、政界再編につながることも少なくなかった。党内事情を抱える党首同士、信頼関係だけでまとまるわけでもない。
思い出すのは幻の大連立だ。
自民党の福田康夫首相と民主…